年度別受賞作品
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魔法の色

第09回 2005年度 受賞作品
入賞作品
作者名:岡田美由樹
所属企業:㈱リオグループホールディングス 秋田イオン店

記事(紹介文)

 
 私のお店はSC内にあるため、ご来店になるお客様の年齢もさまざまです。入社当初は接客に苦労しました。特に年配の方はどう接したら良いのか分からず、正直言ってすごく苦手でした。
 しかし、今は違います。私がそう思えるようになったのは、1人のお客様と出会ってからです。
ある日曜日、混み合った店内で、とても見るからに上品なご婦人が1人で服を見ていました。1枚のニットを何度も触り、気になっている様子に私は勇気を出して、「ご試着もできますよ」と声を掛けたのですが、返ってきたのは微笑みだけでした。会話が続かず、どうしたものかと困りながら様子を見ていると、「これとこのスカートを着てみてもいいかしら」と言われました。試着室で着替えて頂いている間も私の心は不安感でいっぱいたでした。何を話せばいいのか、どうお相手したら良いのか、ドキドキしていました。
 数分後、「やっぱりピンクなんて若すぎね・・・」とおっしゃいながら、少し恥ずかしそうに出てきたご婦人は、とても似合っていて素敵でした。私は本心から、「いいえ、すごくお似合いです」と伝え、私なりにその服に合うコーディネートを提案したところ2点ともお買い上げくださいました。「たまにはこんな明るい色もいいわね」と帰り際におっしゃってくださり、私もすごく嬉しくなりました。
 この日を境に、年配の方への苦手意識は少しずつ消え、逆にそういった方には積極的に接客できるようになりました。年配の方の中には、このご婦人のように明るめの色を苦手とされる方が多いのですが、そんな方には明るい色やきれいな色の魔法をかけてあげます。先入観で自分には似合わないと思っている方は、最初はすごく驚かれますが、どの方も「明るく見えていいわね。いつもと違う感じでいいかも…」と喜んで下さいます。
 年を重ねたからこそ似合う色があると私は思います。そして、いくつになってもオシャレを楽しんで、生き生きとしていて欲しいとも思います。明るい色には、人の心を楽しく、幸せにさせる力があります。私はこれからも、色の魔法をたくさん使って、たくさんの人に幸せな気持ちになってもらいたいと思います。

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