マドレーヌ

第12回 2008年度 受賞作品
優秀賞作品
作者名:森本 藍
所属企業:㈱新宿高野 府中工場

記事(紹介文)


 お客様との触れ合い 私はこの言葉は直接販売している人たちだけのフレーズだと思っていました。あの光景を見るまでは…。
 毎日工場での仕事の中にマドレーヌ作りがあります。生地の仕込み、型への絞り、釜で焼き、仕上げのナパージュをぬる。毎日毎日必ず行う仕事です。まだ入社したばかりの私はこの一連の作業をただ必死に繰り返すだけで精一杯でした。「お客様の為に心を込めて」この事を忘れかけていました。
 休日、私は買い物に出かけたついでに自分の会社の支店に立ち寄ってみました。私は自分が作っているマドレーヌを見ていました。次から次へとどんどんお客様は商品を買われて行きます。しかしマドレーヌのような焼き菓子は生菓子より売れません。私がその場を立ち去ろうとした時です。40代位の2人組の女性がマドレーヌの前で足を止めて、「私ここのマドレーヌ好きなのよね。」「私も結構好きなのよ。」「どれか買っていこうかしら。」と、マドレーヌを選び買われていきました。私は、そのお客様が立ち去った後も少しその場で立ち止ってしまいました。
 入社してから今の今までただ自分が仕事をこなすのに精一杯でお買い上げいただくお客様の気持ちなど考えていませんでした。お客様の1分にも満たない短い会話に私は、これまで感じた事のない感情が湧いてきました。それが「お客様の為に心を込めて」です。この言葉がふと頭の中に思い浮かんだのです。
 お客様と触れ合い、直接言葉を交わすのは販売員の皆さんで私は工場で作っているだけだからと決め付けていました。しかし、この光景を見て以来私は、たったひとつのマドレーヌも心を込めて作らなければ意味が無い、という事に気付いたのです。どのお客様に行き渡るか判らないからこそ、すべての商品に心を込める。
 私はお客様との触れ合いは販売している人達だけではなく、商品を通して私達製造員もお客様と触れ合っているんだと実感しました。直接、お客様の声やお顔が見えない製造員だからこそ、お買い上げいただくお客様の事を考えて作らなければならないと思います。
「お客様の為に心を込めて」
「商品を通してのお客様との触れ合」
この2大フレーズを常に心に持ち続け今日もまたマドレーヌ作りに励みます。

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