年度別受賞作品
退職や転居等により氏名公表許諾未確認の方のお名前は割愛させていただきました。
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お客様との想い出

第13回 2009年度 受賞作品
最優秀作品
作者名:小林祥子
所属企業:㈱虎屋 心斎橋大丸店

記事(紹介文)


 入社してから毎日「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」と変らない日々を送っていました。
 そんなある日、私がまだ入社して3年目の時のこと。1人の若い男性がご来店され、「彼女の実家に挨拶に行くんだ。やっぱり手土産持っていった方がいいよね。何がいいと思う?」 とご相談を受けました。年恰好は自分と同じくらいで、お話を伺っていると、どうやら結婚の申し込みに行かれるとの事でした。テレビでよく見るシーン『娘さんをください!』と頭を下げる。アレをするあれかぁ・・・と少し想像をしながらも提案する商品を真剣に考えました。
 まずは結婚に際してよくお使いいただく詰合わせ商品をお薦めしましたが、お客様は「う~ん…」とまだ思案中でしっくりこない様子。先方様のお好みなどを伺いながら、ああでもない、こうでもないと菓子箱を出してきては、ご予算に応じた詰合せの提案を繰り返しました。どの位の時間が経過したか記憶にありませんが、一生懸命に提案を重ねた結果、お客様は遂に決断されました。お決めいただいた商品は、季節の限定商品を入れた華やかな色合いの詰合せにしたもので、お客様の想いの詰まった商品としてお買上げいただくことが出来ました。
 お見送りの際、「頑張って下さい。きっと想いは伝わりますよ! 応援しています」 「うん、ありがとう。長い時間を一緒に考えてくれてありがとね」との言葉を残し帰られました。お客様のお役に立てたことへの喜びと、ホッとした安堵の気持ちでいっぱいになったことを今でも忘れません。
 そして数日後、なんとあの男性のお客様が今度は女性とご一緒に売り場にご来店されました。そして私に対して「店員さん、この間はありがとう。おかげさまで上手くいったよ、お土産も喜んでもらえたよ」と、大変嬉しい報告を頂戴しました。私も自分のことのように嬉しくなり、胸が熱くなったことを覚えています。また、その時の光景(お連れ様も満面の笑みで、幸せいっぱいのオーラを出していたこと)は、お二人の気持ちがそのまま売場全体に広がり、幸せな雰囲気に満ちていたことが、今でも忘れられません。
 販売員として、商品選びのお手伝い・ご提案は当たり前のことですが、この時はじめてお客様から「ありがとう」と言ってもらえることの素晴らしさを私自身が体験し、感動を頂いたのだと記憶しています。そして、「販売」という仕事を通してお客様の人生の大切な場面に、自分も携わっていることに気づき、この仕事のやりがいを感じるきっかけになったと思います。
 あれから数年経ちましたが、あの時にお薦めした商品が今でもその季節になると店頭に並びます。その度にあの「お客様」のあの「笑顔」を思い出し、ひとりにんまりと微笑んでは、後輩との会話をふくらましています。
 日々お客様との出会いは一期一会であり、その時々の瞬間・空間を私は大事にしています。あの時感じたお客様とのあたたかい気持ちを胸に、これからも笑顔の絶えない販売員として、お客様との関係を築いていきたいと思います。

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