年度別受賞作品
退職や転居等により氏名公表許諾未確認の方のお名前は割愛させていただきました。
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柿の実る頃

第13回 2009年度 受賞作品
入賞作品
作者名:(氏名割愛)
所属企業:カメラ販売店勤務

記事(紹介文)


 ミノルタのアルファ写真コンテストがあった頃のことです。「あの~、すみません」と声がかかったので「はい、いらっしゃいませ」と私。振り返ると、そこにお子様連れの女性のお客様が立っていました。以前、一眼レフを買っていただいた方です。
 「あの、これ、コンテストに応募してみようかと思うんですが」と1枚の写真を差し出されました。右上に真っ赤な柿の実がたくさん実り、中央で子供達が遊んでいる、ほのぼのとした雰囲気のある写真でした。「良い写真ですね」と私が言うと、少し安心したようにニッコリされました。
 その頃、店にフロンティアはまだなく、少しトリミングをした大伸ばし写真が現像所から仕上がってきたのは数日後でした。お客様にコンテストの応募票の書き方をご説明し、最後に〝題名を〟ということになりました。「え~、題名なんて私わかりません。何か考えてください。お願いします!」と頼み込まれ、お客様が買い物から戻られるまでの間に私が考えることになってしまいました。
 店にあった写真集や雑誌からヒントを探そうとしましたがぴったりくるものが見つからず、もう一度、お客様の作品に目を向けた時、ふと〝柿の実る頃〟という題名を思いつきました。『でもそのままだしなぁ』と悩んでいたらお客様が戻られ、「それが良いです」とおっしゃり、気に入っていただけたようで、その題名で応募することになりました。
 それから1ヶ月後、そのお客様が喜びいっぱいの表情で来店されたのです。
「今日ミノルタさんから入選の通知が届きました。あなたのおかげです! 良い題名をつけてくださって本当にありがとう!」お客様は何度もお礼をおしゃってくださいました。最初は驚き、一緒に喜んでいましたが、だんだんコソバユクなってきました。なぜなら、私がしたことは題名を思いついただけなのですから。
 私達の仕事では、お客様の素敵な写真とたくさん出会う事ができます。お子様やペットの何気ない一瞬の表情。何度も何度も足を運んで撮ったネイチャーフォト等々。
 そんな素敵な写真に出会った時、私は『役得だな』『目の財産だな』といつも感じるのです。

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