年度別受賞作品
退職や転居等により氏名公表許諾未確認の方のお名前は割愛させていただきました。
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感謝という言葉

第16回 2012年度 受賞作品
最優秀作品
作者名:内田寿子
所属企業:㈱アスプルンド 212KITCHEN STORE 熊本店

記事(紹介文)


 キッチングッズ専門店に勤めて7年目になる。こんなに続くとは正直最初は思っていなかったのが本心だ。
 サービス業には毎日出会いがある。楽しかったり、悲しかったり、悔しかったりと毎日様々。辛いこともたくさんあるが、その中で起きるあったかい出来事は心にほわぁと広がる。
 ある日若い男性のお客様が来店。何か探している様子だが、ジーンズを腰ではいている若いその姿は私には正直軽そうに見え、苦手なタイプに映っていた。
 でも気になり声をかけてみた。何かお探しですか?」。すると「嫁の誕生日なんで、なんか買ってやりたいんすよ」とお客様。
 話をすると自分は自営業で、お嫁さんは自分と結婚するとき、無条件に親との同居を選んでくれた。実家だからおしゃれな鍋も皿もない。ほんとはいろいろかわいい道具を使いたいと思うけど、文句ひとつなく母親と一緒に台所に立ってくれている。だから普通の若い人が使うおしゃれなキッチングッズを買ってあげたいと話してくれた。
 「俺マジ嫁に感謝してるっすよ!」
 感謝!? 私は人を見かけだけで判断してしまっていた。軽そうという勝手な自分のものさしで人を判断して、お客様を勝手に決めつけていた。この若者から〝感謝〟という言葉。びっくりした。一瞬であったかい気持ちとすぐそれを追いかけるように恥ずかしい気持ちが私を襲った。
 「その言葉を奥様に言ってあげるとイチバンのプレゼントだと思いますよ!」とお客様へ。すると「マジ恥ずかしいけん絶対言わん!」と熊本の男(肥後もっこす)らしいお言葉。
 お客様と一緒に明日の誕生日までプレゼントを隠す場所を考え、「おねーさん、ありがとっ」と笑顔で帰って行ったお客様は、とてもとても素敵な男性に見えた。
 1週間もしないうちにお客様がもう一度来店。「おねーさん! 嫁、超喜んだっス! あっ、ちなみに俺の子っす。かわいいしょ!」
 私はお客様あなたになんだか感謝です。

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