年度別受賞作品
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きっかけはいつもお客様

第15回 2011年度 受賞作品
受賞者インタビュー
作者名:野村 恵
所属企業:㈱赤坂柿山 池袋西武店

記事(紹介文)


第14回(2011年) 優秀賞 「きっかけはいつもお客様」
㈱赤坂柿山 池袋西武店 野村 恵さん

― 優秀賞おめでとうございます。

野村 昨年から「あったか・えっせい」には興味がありましたが、時間的に間に合わなくて応募できなかったんです。今回、会社からの募集の知らせと同時に上司から「やってみたら」と勧められました。前回書いてみようかなと私が言っていたことを覚えていてくれたんですね。
 受賞の知らせは、売り場で上司からもらいました。まずは「やったぁ!」と思いましたね。とても嬉しかったです。もともと私は大のお煎餅好き、柿山の商品も昔から大好きでした。お煎餅好きが何となくお煎餅会社をパソコンで検索していたら、柿山の社員募集が目に入ってきました。すぐに応募しました。もちろん、柿山に入社を決めたのは、お煎餅好きなだけではありません(笑)。
入社試験では役員面接の後に社長面接が1時間もありました。忙しい方なのに、私の話をゆっくり聞いてくださったんです。私という人間を十分理解した上で採用してくださったということが何より嬉しかったです。そしてとても温かい社風を感じました。
 社長は今も売り場によく来てくれます。皆の名前や勤続年数も把握している、自分達が認めてもらえているようでとても心強いですし、社長を身近に感じられんです。

― 今回の受賞作品について教えてください。

野村 作品中の方は50代くらいの男性です。会社帰りに寄っていただきお酒に合う商品をお薦めしたのは、話している間に思い出せたのですが、何の商品だったか思い出せません。記憶も定かではないのに、「またお立ち寄りくださって…」とマニュアル的に挨拶してしまったのですね。「覚えていてくれたの?」の言葉に何も言えなかった私。お客様はすぐに状況をお分かりだったのでしょう。戸惑っている私に怒ることもなく、優しく「僕さえ覚えていればいいんだよ」と優しくおっしゃって帰られました。そのお客様に私は、何かを感じたのですが、それが何なのかわからない。ずっともやもや感が残っていました。
 何日か後に、先輩にしか話しかけなかったお客様に思い切って自分から話しかけました。お客様のお好きな商品をわかっていたので、お客様がお申し出になる前にその品物をお渡しするととても喜ばれました。お客様が私に初めて見せて下さった笑顔を見たとき、私のもやもや感がスゥーと消えたんです。お客様に本当に喜んでいただける接客が何なのか少しわかったような気がしました。
あの男性のお客様が出してくださった宿題をこのお客様が解いてくださったように思えます。ただエッセイを書くという文字にして反覆する機会がなかったら、いまだに宿題は解けなかったかもしれません。エッセイを書くことによってわかったことがあったんです。
 そういう意味では、日ごろの接客の中で何か心に残ったら文字にしてみることは大切かもしれませんね。

― 接客のお仕事は楽しいですか?

野村 よく“辞めたいと思ったことがあった”という話を聞くことがありますが、私は一度もありません。ちょっと苦労したことと言えば、どちらかというと体育会系でせかせかしているので、柿山の上品なイメージに合う落ち着いた雰囲気を醸し出すのが難しかっことです。この仕事を辞めたいと思ったことはありませんが、楽しいことばかりではありません。いろいろなお客様との出会いがあるわけですから。辛いことや悲しいことは“ツイッター”や“ミクシー”で呟いています。また先輩からの教えも忘れないよう記録するようにしています。
 まだまだ入社して2年半です。これからもいろいろあるでしょうが、何より私の大好きな柿山のおかきを一人でも多くの方に食べていただけるよう、そしてお客様が楽しくお買い物ができるよう頑張っていくつもりです。

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