年度別受賞作品
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闘う女のパワードスーツ

第16回 2012年度 受賞作品
受賞者インタビュー
作者名:中村 司
所属企業:㈱銀座マギー 羽田ビッグバード店

記事(紹介文)


第16回(2012年) 優秀賞 「闘う女のパワードスーツ」
㈱銀座マギー 羽田ビッグバード店店長 教育担当 中村 司さん

― 優秀賞、おめでとうございます。

中村 ありがとうございます。「あったか・えっせい」への応募は新人研修の課題になっていたので、羽田店の新入社員にも提出するように言っていたんですね。私もちょっと書きたいことがあったので、軽い気持ちで応募してみました。素直に嬉しいです。壇ふみさんが選んでくださったと聞いて、受賞の嬉しさが倍増しました。
 あの3.11から1年以上が経ちましたが、震災後のことをエッセイに書きたかったんです。すぐにあの仙台のお客様とのエピソードが頭に浮かびました。「パワードスーツ」という言葉は私が使い始めたのですが、お客様も自然に口にしてくださっていました。服には人を元気させる力があるんです。
 「THE MAGGY」 という名前で、銀座マギーの全てのブランドを扱っている複合店はこの店だけです。朝9時のオープンなので、午前の便でお帰りになる方が「東京で買い物する時間がなかった」とか、今着いたばかりで「急にスーツが必要になった」など、この店ならではのお客様が来店されます。お客様がその2時間後には北海道や九州にいらっしゃる、お店の商品がお客様と一緒に飛行機で飛び立っていく。そんな感じに思えるのは、この店ならではですね。
 複合店だけに、バッグ屋靴など扱っている商品の種類が多いので在庫の数はそれほど多くありません。場所がらお取り置きを希望するお客様はほとんどいらっしゃらない。「これが欲しいわ」と言われた時にそのサイズやカラーがなければ接客が終わってしまいます。何がお客様のニーズに応えられるのか、予測して商品をご用意するのも楽しいですね。

― 現場でのご経験が長いのですか。

中村 入社して、銀座松屋店、池袋パルコ店、二子玉川高島屋店で販売を経験してから、本社の人事部に10年いました。横浜ポルタ店で現場に復帰、去年この店に異動になりました。
 本社でCSの担当だった頃、お店にいろいろと指示する立場でした。お店をバックアップするのが本社の役割ですが、店舗スタッフにはその事があまり伝わっていないということが、お店に出るようになって分かりました。今は自分がお店でそのCSを行う立場です。本社を経験したことで、両方の気持ちがわかるようになりました。これまで培ってきた事を活かすチャンスですから張り切っているところです。会社にもいろいろと提案していきたいと思っています。
 時間の許す限りお客様とお話して、その方の要望が何なのか、ご自身が気づいていない部分を引き出して差し上げる。接客とはヒアリングだと思います。それができるようになったのは、本社でCS担当になってからです。心理学をはじめ、接客についていろいろ勉強しました。
 50代になって、自分たちが経験してきたことを次の世代に渡さなくてはいけないと思うようになりました。できれば、しなくていい苦労はさせたくないですね。このままだと苦労するだろうなと分かった時には、そうならないように指導していきたいですね。
 「人」を目の前にして仕事ができる。それが接客業の楽しさです。異業種の方たちとも気軽にお話できる。様々な方々との出会いがあるんですよ。若い人たちには、自分の居る場所がどんなに素敵なところなのかということを伝えていきたいですね。販売職ってこんな楽しいよ、お客様に喜んでいただけるCSってこういうものだよ、ということを言い続けていきたいです。それが私のこれからのライフワークになっていくんじゃないでしょうか。

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