年度別受賞作品
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第4回選評

第04回 2000年度 受賞作品
選評
作者名:高見マーケティング研究室主宰 実践女子大学講師 高見俊一氏
所属企業:

記事(紹介文)


 第4回目を迎え、今回は、事務局から推薦のあった、A部門(企業部門)22作品、B部門(一般部門)12作品の中からの選考になりました。(応募総数は549作品、そのうちA部門377作品、B部門172作品)
審査を担当して3回目になりますが、毎回教えられることが多く楽しませてもらっています。今回の特徴は、ドラマティックさにはやや欠けるものの、小粒だがキラッとヒカル作品が多かったこと、また、会員企業のA部門への応募が増え、販売への関心の高まりが見られたように思います。
最優秀賞に選ばれたのは、㈱新星堂、北島俊一さんの「ギターと少年」。若いお客様との触れ合い、会話は少なくても、心が通じ合った前向きに生きる若者の姿、清々しい印象が伝わってきて心うたれました。
優秀賞は、菅井直子さんの「今も心に残る母娘との出会い」。採寸時、お客様の身体の異常に気付き、その事実を思いきってお伝えしたことが、病気の早期発見につながり「命の恩人」と感謝された話し、経験の生かされたケースです。どの作品も甲乙つけがたいものでしたが、ほんの僅かな差で決まりました。
佳作に選ばれた作品で印象に残ったのは、㈱ワシントン靴店、沖由美子さんの「祖母を思い出しながら」。心を閉じていたお客様に、「方言」で接することで、次第に心開き、最後には、最初の気持ちとは反して買い物をしてくれる、その自然なプロセスが、ほのぼのとした気分にさせてくれました。田島志穂さんの「差し出された大きな手」と、沢村遼子さんの「今知っておきたい親切な店」は、高齢のお客様との触れ合いをテーマにしており、やがて訪れる高齢化社会へ向けてのサービスの在り方を示唆してくれています。また、誠心誠意接客することがお客様の心を開くことにつながることを体験した大熊隆士さんの(ワシントン靴店)の作品も心に残りました。
でも、このような解説はあまり意味を持ちません。前回も指摘しておきましたが、個々の作品の解説、分析をしてはいけないという気持ちになりました。受け止め方は様々で、正解はありません。感動、共鳴することで十分だと思います。入選された作品は、逐次、会報「JSA Communication」に掲載されます。販売スタッフの皆さんには、是非読んでいただき、仕事の糧にしてください。A部門では、同じ仕事をする仲間がどのような素晴らしい体験をしたのか、B部門では、なかなか読みづらいお客様の行動、考え方をお客様自らが教えてくれる貴重な材料になります。是非、来年はご自分の体験を応募してほしいと思います。
最後に、今回ワシントン靴店、新星堂からの応募作品に、優れたものが多く見られました。店の雰囲気、販売員の皆さんの誠実さが伝わってきます。会員各社の人事担当の方々には、社員の皆さんへの応募の働きかけを期待します。間もなく訪れる21世紀はコミュニケーションの時代です。

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