年度別受賞作品
退職や転居等により氏名公表許諾未確認の方のお名前は割愛させていただきました。
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第19回 2015年度 受賞作品
入賞作品
作者名:  小貫晋二
所属企業: ㈱ザ・クロックハウス

記事(紹介文)


 電池交換にいらっしゃったお客様から聞いたお話です。
家族のこともわからなくかった痴呆症のお婆ちゃん。徘徊、妄想などでご家族が疲れ果てた頃、お婆ちゃんが亡くなられたそうです。正直ほっとした気持ちで遺品整理をしていたところ、古い立派な腕時計が出てきました。
 腕時計には手紙が添えられてあり、それは痴呆症がひどくなる前、お婆ちゃんが家族へむけて書いたものでした。「迷惑かけるからごめんね」という謝りの言葉。家族一人ひとりへの「ありがとう」というお礼の言葉。お爺ちゃんとの初デートの時に一緒に選んで買ったけれど、もったいなくて腕にはめられなかった思い出の腕時計を娘に受け継いでほしい・・・。
 その手紙を読んで、痴呆症になったお婆ちゃんを疎ましく思っていたことへの後悔と反省、家族を大切に思ってくれていたお婆ちゃんの気持ちを改めて感じて、ご家族は涙を流しました。
娘さんは、その時計の電池交換にいらっしゃる度に、お婆ちゃんの話を嬉しそうに、時には真剣な顔で、大切な思い出を話してくださいます。
 時計はその思いの補足に過ぎないのかもしれませんが、家族の絆の見直しのお手伝いになる大切なアイテムでした。この話を聞いて時計という商品を取り扱うこの仕事を誇りに思うようになり、一人ひとりのお客様、一つひとつの時計に対する思いが今までとがらっと変わりました。
 とても心が温かくなり、思わず笑顔になるような、胸がぎゅっとなるような、その時の気持ちは何事にも代え難いものでした。今まで経験したことがない、自分のこれからの仕事や人生に変化をくれたできごとです。


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