年度別受賞作品
退職や転居等により氏名公表許諾未確認の方のお名前は割愛させていただきました。
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私がしている余計なこと

第20回 2016年度 受賞作品
入賞作品
作者名:  持丸亜紀子
所属企業: ㈱山野楽器

記事(紹介文)


 銀座勤務は学生時代から数えると、いよいよ四半世紀になりそうです。こどものころから、買い物や外食、何かあれば銀座へ! だったので、自然と大好きな街になりました。
 そんな私が得意なのは銀座の道案内。幸いにも「業務中の道案内は禁止である」なんて会社からのお達しはありません。制服に地図を忍ばせ、「さあ、いらっしゃい!」と試合開始のキャッチャー気取りで業務開始。お買い物の次に向かわれるお店の場所のお問い合わせ、とっても多いんです。
 時々脱線して昔の銀座の話になることもよくあります。さすがに会社の創業1892年頃は無理でも、1970年以降ならなんとか……。そんなの道案内に関係ないでしょ?
 それがあるんです。それが銀座の道案内なんです。
「昔、○○があった辺りなんだけど……、○○なんて知らないわよね?」
「ええと、それはこの辺りにありましたね」
とお答えすれば、あれは、これは、とお客様からボールが続けざまに飛んでくることも……。にわかキャッチャー、しっかり受けて返しますよ。
 「顔のビルのオモチャ屋さんは、建て替えられてしまいました」「デパートの屋上にあった、自動販売機のハンバーガーおいしかったですね」「あの中古レコード屋さん、私もアイドルのレコードをよく買いました」
自分とお客様の思い出話を引き出しながらお話ししていると、その時代にいるような気分になり、おかげでボールならぬ、話がどんどん弾みます。
そして思うのです。銀座はこんなにも愛されている街なんだなぁと……。
 制服で外出すると、海外の方から道を尋ねられることも多くなりました。レストランにご案内した方がお買い物に来てくださり、「やっぱり銀座に来てよかった!」なんて笑顔を返されたら、今度は勘違い親善大使に。
 「毎日何しに来てるの?」って叱られそうですが、この制服を着ている間は一店員ながら銀座大使のつもりです。しっかり銀座ファンを増やし、この街を笑顔でいっぱいにしたい。私がこどものころ、そうしてもらったように。

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