年度別受賞作品
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ケーキを通じて学んだこと

第20回 2016年度 受賞作品
入賞作品
作者名:  大下美咲
所属企業: ㈱新宿高野

記事(紹介文)


 私の職業はパティシエです。お客様の誕生日などの記念日に花を添えたり、帰省などの手土産に購入するケーキや焼き菓子を作る仕事をしています。
 小さい頃から、母親と家族の誕生日にケーキを作ったり、クッキーやパウンドケーキを作るのが好きでした。何よりケーキを人に渡すと必ずそのひとは笑顔になります。ケーキは人を幸せにするという魅力に惹かれ、パティシエになることを決意しました。
 専門学校を卒業して早や4年が経ちました。毎日、自分の好きなケーキを作れることがとても楽しくて、大量の仕込みに追われていましたが充実した日々を過ごしていました。しかし、それは自己満足になっていて、人を笑顔にするという初心を忘れてしまっていたのです。
 ある日、店長に相談をして、一日販売の仕事をさせてもらえることになり、いろいろなお客様と接する事ができました。
「いつも店に来た時はこのケーキを買うんです」とお客様が指差したケーキは私が入社して初めて一人で仕込みをさせてもらったレアチーズケーキ。いつもシェフが仕込みをしていて、引き継がせてもらうのに3年かかったホールの生デコレーションケーキは、「今日お母さんが誕生日なんです」と2人の男の子が買っていきました。
 その日を境に、なるべく生地をつぶさないように材料の混ぜ方を変えたり、少しでも作りたての商品をお客様にお届けしたいと思うようになりました。
 日ごろお客様と接する機会はほとんどありません。自分の作ったケーキがどのようなお客様が買われているのかも、接客の人に聞くしかありません。しかし、販売の仕事をさせていただいたことで、それまでは得られない大切なことをお客様に教えてもらいました。
 ケーキを通じてお客様の〝大切なひととき〟を共有できるパティシエという職業になれて、今とても幸せに思っています。

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